住宅の「ラーメン構造」って何??
今回は「ラーメン構造」について詳しく解説していきます!
1・ラーメン構造って何?
ラーメン構造とは、柱と梁(はり)からできた構造体の接合部を、溶接など一体化させるように接合(剛接合)することで、強靭な「枠」を形成した構造の建築物を呼びます。語源の由来はドイツ語の「Rahmen(額縁の意味)」からきています。
なお、日本の伝統的な工法のひとつ「在来軸組工法」の木造住宅は、剛接合とは言えません。筋交いなどの斜め材が入っており、ブレース工法と同様の工法と言えます。
●梁(はり)と柱(はしら)の違い
柱は垂直方向に、土台から真上に真っすぐ伸びた部材を示しますが、梁は建物の水平方向に柱と柱をつなぐ形で架け渡す部材を示します。
通常は、屋根や床などの加重を支える役割を持ちますが、地震の際には水平方向の揺れにも耐える役割があります。
●梁の種類
梁には、屋根を支える「小屋梁」というものがあります。また、柱と柱で支えられている「大梁」と、大梁に支えられている「小梁」とがあります。さらに床を支える床梁(ゆかばり)、2階などの床や小屋組に設ける「火打ち梁」があり、梁には実に多くの種類があることがわかります。
●梁と柱を剛接合するには
鉄筋コンクリートであれば、コンクリートを流し込むため、一体化するは当たり前ですが、他の部材ではどうでしょうか。 鉄鋼であれば溶接するという方法があります。また、土台となる基礎が鉄筋コンクリートである場合は、その部分は剛接合になります。
2・地震が発生した場合の力の流れ
地震には横揺れと縦揺れがありますが、最も多い横揺れについてみてみましょう!
ラーメン構造(左図)では、梁と柱が一体化して建物全体で地震力に耐えようとします。そのため、想定以上の地震力が加わった場合、強度が弱い部材の負荷が多くなり破断する恐れがあります。
3・ラーメン構造とブレース構造どっちが良い?
一長一短のため、どちらが良いというのはありません。
ラーメン構造は、斜め材となる部材が必要ありません。そのため空間を広く使うことが可能になります。そのため、デザイン(意匠設計)の自由度も高くなりますが、ブレース構造と比較してコストが高くなることがあります。
一方、ブレース構造は、柱と柱の間に斜め材が入るので、大きな空間を作りづらくなります。ただし、必ず全ての柱と柱に斜め材が必要なわけではありません。また一方向だけに入れることはありません。東方向に入れたら、西方向にも入れます。通常、ラーメン構造と比較すると、コストが割安になることがあります。
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