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タスペーサーとは?基礎知識からトラブル例&注意点まで解説していきます!その2

 

今回も前回に引き続きタスペーサーとは?基礎知識からトラブル例&注意点まで解説していきます!

 

タスペーサーを使用するデメリット

ここまで見てきたように、タスペーサーには塗装費用をより短期間で安くすませられる上に、縁切りよりも安全かつ適切に作業ができるといったメリットがあります。

ですが、デメリットがまったくないわけではありません。以下では、あらかじめ知っておきたいタスペーサーのデメリットについてチェックしていきましょう

 

屋根が割れやすくなる可能性がある

 

適切に使用すれば縁切りよりも屋根を傷つけるリスクが少なくなりますが、使用方法を誤ると屋根が割れやすくなってしまうことがあります。

というのも、タスペーサーは屋根の隙間に板を挟むため、その際に屋根材を割るおそれがあるからです。

特に屋根がひどく傷んでいたり重度の劣化症状が出ていたりする場合はリスクが高くなるため、タスペーサーの使用が可能かどうかを見極めること、

何よりも適切な使用方法を遵守することが必要でしょう。

 

利用できないケースが有る

 

以下のように、タスペーサーが使用できないケースもあります。

 

  • スレート以外の屋根材(金属・瓦など)
  • 劣化症状が激しい

 

タスペーサーが使用できるのは、セメントを主材とするスレート系の屋根に限られます

スレート系であっても、ひび割れなどの劣化症状が出ている場合はNG。タスペーサーを使用することでかえって症状を悪化させる可能性があるからです。

 
  • 使用方法を誤ると屋根を割ってしまう危険性がある
  • スレート系の屋根以外には使えない
  • スレート系でも劣化症状が激しい屋根には使用NG
 

 

タスペーサーはどんな屋根に使用できる?

使用方法を守れば多くのメリットを得られるタスペーサーですが、すべての屋根に使用できるわけではありません。

ここからは、タスペーサーが使用できる屋根の種類についてチェックしていきましょう

 

タスペーサーが使用できる屋根

 

タスペーサーが使用できるのは、平板スレート屋根に限られていますただし、平板スレート屋根のすべてにタスペーサーが必要というわけではありません。

屋根の隙間が4ミリ以上確保できる場合にはそもそも縁切り作業が必要ないため、タスペーサーを使用せずとも屋根塗装ができます。

 

タスペーサーが使用できない屋根

 

以下の種類の屋根材では、タスペーサーを使用できません。

 

  • セメント瓦屋根
  • 粘土瓦屋根
  • ガルバリウム鋼板屋根
  • トタン屋根
  • 銅板屋根

 

瓦のような屋根材はそもそも塗り直し自体が必要ないため、縁切りやタスペーサーも必要ないのです。

 

スレート屋根でも使用できない場合も

 

スレート屋根であっても、以下のような場合は使用ができません。

 

  • 屋根材が割れている場合
  • 劣化が激しい場合
  • 水を吸っている場合
  • 屋根材を交換せずに20年以上経っている場合
  • 野地板の状態が悪い場合
  • アスベストが含まれている屋根の場合

 

タスペーサーや縁切りが必要なケース

 

スレート屋根であり、なおかつタスペーサーや縁切りが必要なケースは主に2つの条件があります以下では、その条件について詳しく見ていきましょう。

 

隙間が小さく埋まりかけている

 

屋根材と屋根材の隙間が狭く、なおかつ埋まりかけている場合はタスペーサーや縁切り作業が必要になります。

こうした場合は垂れた塗料によって屋根材と屋根材の間がふさがりやすく、隙間を作らないと雨漏りや結露しやすくなるからです。

 

水性塗料を使う

 

有機溶剤にはシンナーが含まれているため、使用方法を誤ると健康被害を受ける危険性があります。

シンナー特有の悪臭や刺激臭がするため、安全性や快適さのために水性塗料を選ぶ方も少なくありません。

ただ、水性塗料は垂れやすく屋根材の隙間を埋めやすいため、タスペーサーがあったほうが望ましいと言えるでしょう。

 
  • 屋根材の隙間が狭く、塗料でふさがれやすい状態になっている
  • 水性塗料を使用して屋根塗装をおこなう

 

タスペーサーや縁切りが不要なケース

屋根塗装においては、タスペーサーや縁切り作業が必要でない場合もあります。悪質な業者の中には、必要のない作業をプラスして工事費を多くとるところも…。

以下のような場合において、見積もりにタスペーサーや縁切り作業が含まれているときには注意が必要です。

 

油性塗料での塗装

 

水性塗料と違い、油性塗料を使った屋根塗装では屋根材の隙間が埋まりにくいもの。そのため、タスペーサーや縁切りは不要です。

 

4mm以上の隙間がすでにある

 

屋根 施工

 

タスペーサーを販売している株式会社セイムは、4ミリ以上の隙間がすでにある場合にはタスペーサーが不要としています。

つまり、屋根の反りといった要因によってすでに十分な隙間がある場合は、タスペーサーは不要です。

 
  • 油性塗料で屋根の塗り直しをおこなう
  • すでに十分な隙間が確保できている

 

タスペーサーの取り付け方とは?

スレート系屋根で屋根材の隙間が狭く、なおかつ水性塗料を使用して屋根塗装をおこなう場合には、タスペーサーを使うと作業時間と人件費をカットすることができます。

ただし、タスペーサーを間違った方法で取り付けすると、屋根材が傷ついたり割れたりしてしまいかねません

そこで以下では、タスペーサーの正しい取り付け方についてご紹介していきます。

 

シングル工法とダブル工法

 

タスペーサーの取り付け方としては、シングル工法とダブル工法の2種類があります

シングル工法とは屋根材1つに対してタスペーサーを1つ設置するやり方のことで、屋根材の幅が60cmの場合に利用します。

また、屋根材1つに対してタスペーサーを2つ設置するダブル工法では、屋根材の幅が91cmの場合に採用するのが一般的です。

 

タスペーサーの正しい取り付け方

 

タスペーサーを取り付けるタイミングは下塗りを乾燥させた後上塗りをする前の段階です。ただし、タスペーサー01のみ屋根の洗浄後でも取り付けが可能です。

位置は屋根材の端から15センチ内側のところに、また屋根の角度は約17度以上の場合のみ取り付けができます。

なお、隙間は2~3ミリの場合のみ使用が可能で、4ミリ以上ある場合はタスペーサーは不要です。

上記の点を守らなければ、タスペーサーが途中で抜けたり屋根材が割れたりするので注意しなければなりません。

 

タイミング 下塗りを乾燥させた後
位置 屋根材の端から15センチ内側
角度 17度以上の場合のみ取り付け可能
隙間 2~3ミリの隙間は設置可能、4ミリ以上は設置不可
誤使用によるリスク タスペーサーが抜ける、屋根材が破損するなど

 

タスペーサーで起こりうるトラブル

業者や職人に十分な知識がない場合、タスペーサーの取り付け方法を誤ってしまう可能性もあります。

では、具体的にどのようなトラブルが想定されうるのでしょうか?以下では、タスペーサー設置の際に起こりうる主なトラブル事例をご紹介していきます

 

野地板の劣化に気付かず使用する

 

結露や雨漏りによって、野地板が傷んでしまっているケースも珍しくありません。劣化した野地板にタスペーサーを取り付けると、屋根材が割れやすくなるので注意が必要です。

 

屋根材の劣化に気づかず使用する

 

劣化した屋根材にタスペーサーを取り付けるのも、屋根材の破損につながります

ひび割れを起こしたり屋根材が水を吸って膨らんだりしている場合に加えて、屋根材のメンテナンスを20年以上していない場合は、タスペーサーの設置をやめたほうがよいでしょう。

 

タスペーサーの設置数を間違える

タスペーサーの設置数を間違えると、屋根材の破損や劣化の原因になります。少なすぎても多すぎてもいけません。

 

取り付け位置を間違える

 

正確な位置に取り付けないと十分な性能を発揮できなくなり、結露や雨漏りの危険があることにも要注意。

屋根材と屋根材が重なり合う隙間を見つけ、適切に取り付けることが大切です。

 
  • 劣化した野地板や屋根材にはタスペーサーの設置を避ける
  • 設置数や位置を間違えると、屋根材の破損や雨漏りの原因になる

 

タスペーサーを使用する際の注意点

ここまで見てきたように、タスペーサーを誤って使用するとさまざまなトラブルが起こる可能性があります。

では、どうすればこうしたトラブルを防げるのでしょうか?ここからは、タスペーサーを使用するにあたって知っておきたい注意点をご紹介していきます

 

取付前に屋根の状態を確認する

 

まずは、屋根材の状態をしっかりと確認することが大切です。目視でひび割れなどが確認できなかったとしても、野地板が腐食を起こしたり傷んだりしていることもあります。

屋根材や下地の劣化状態をきちんと確認して、タスペーサーを取り付けても破損しないかどうかをチェックしましょう

 

使用できる屋根材かどうか確認する

 

タスペーサーが使用できるのはスレート屋根のみですので、ご自宅の屋根材の種類も確認しなければなりません。

また、アスベストが含まれていないかも業者に調査してもらいましょう

人体に有害なアスベストは現在では屋根材などへの使用が禁止されていますが、禁止前に販売されていた屋根材にはアスベストが含まれている可能性があります。

アスベストを含む屋根材が破損するとアスベストが飛散し、健康被害を招くことに注意が必要です。

タスペーサーの使用方法を誤ると屋根材が割れてしまうことがあるので、取り付けが可能かどうかを業者に相談することになります。

 
  • 屋根材や野地板が劣化・破損していないか確認する
  • タスペーサーが設置できるスレート屋根かどうかを確認する
  • アスベストを含む屋根材には設置ができない場合も

 

タスペーサーの基礎知識を得ておこう

 

今回は屋根塗装で活躍してくれるアイテム「タスペーサー」について特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。

タスペーサーを使用すれば手作業でひとつひとつ縁切りをおこなう必要がなくなるため、塗り替えが短期間で終わる上に人件費も削減できます

ただし、すべての屋根にタスペーサーが使えるわけではありません。屋根材の種類や劣化症状などによってはタスペーサーが使用できない場合もありますし、取り付け方法を誤るとかえって屋根材の破損を招いてしまうことに…。

屋根の塗り替え工事にあたっては信頼できる優良業者を見つけ、タスペーサーの設置が可能かどうかを確認してみてください。

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