タスペーサーとは?基礎知識からトラブル例&注意点まで解説していきます!
今回はタスペーサーとは?基礎知識からトラブル例&注意点まで解説していきます!
スレート屋根の塗装をおこなう際に欠かせないアイテムとして、タスペーサーというものがあります。
タスペーサーとは屋根の隙間を確保するために使われる道具のことで、雨漏りや結露などのトラブルを防ぐ役割をもっています。
ただ、一般にはなじみのないものであるため、「タスペーサーにはどのような種類や特徴があるの?」「屋根塗装の際には絶対に設置しなければいけないの?」
と、疑問に感じている方も少なくないことでしょう。
そこでタスペーサーの基礎知識に加えて、使用するメリット・デメリットや種類別の特徴に至るまで徹底解説しています。
タスペーサーの基礎知識
そもそも、タスペーサーとはどのようなものなのでしょうか?
屋根塗装や住宅関連の仕事をしていない人からすると、「タスペーサー」という言葉を聞いても何のことか想像がつきにくいでしょう。
そこでここでは、タスペーサーについて知っておきたい基礎知識についてご紹介していきます。
タスペーサーとは
タスペーサーとは、平板スレートの屋根塗装の際に、屋根の隙間を作る目的で設置する道具のことです。
このアイテムを使えば、塗料が屋根の隙間を塞いでしまうのを防いで空気の通り道を確保でき、屋根塗装時の雨漏りや結露対策になります。
なお、タスペーサーは株式会社セイムから販売されている商品名で、「タスペーサー01」、「タスペーサー02」、「タスペーサー03」の3種類があります。
タスペーサーと縁切りの違い
タスペーサーは、縁切りをより効率的かつスピーディーにおこなうために開発された商品です。
屋根塗装において、屋根の隙間を塞いでしまう塗料を取り除き、隙間を設けて空気が通るようにする作業のこと。
では、タスペーサーと従来の縁切りはどのように違うのでしょうか?両者の違いとしては、以下の点が挙げられます。
- 縁切り作業:塗装後にカッターやヘラで隙間を作る
- タスペーサー:下塗り段階で設置する
縁切りでは下塗り時にタスペーサーの設置をしない代わりに、上塗り後に縁切り作業が必要です。
基本的にはすべてを手作業でおこなうため、タスペーサー設置に比べて数時間ほど作業時間が延びるため工事費が高くなります。
さらに、塗装後の屋根を踏んだり傷つけたりするおそれも…。
他方で、タスペーサーは下塗り段階で設置することで、上塗り後の縁切り作業を省略できます。そのため、縁切りに比べて作業時間は短くなり、工事費も安くなるのです。
また、タスペーサーは風速50メートルまでは吹き飛ばないと言われており、すでに70万棟で使用されているという実績もあります。
- タスペーサーは屋根塗装時に屋根の隙間を確保するために用いられる
- タスペーサーならば、縁切りよりも安くスピーディーに作業ができる
タスペーサーの種類と特徴
タスペーサーは株式会社セイムの販売商品ですが、上でも触れたように「タスペーサー01」と「タスペーサー02」、「タスペーサー03」という3種類が販売されています。
両者はどのように違うのでしょうか?以下では、タスペーサーの種類とそれぞれの特徴についてご紹介していきます。
タスペーサー01
「タスペーサー01」はポリアセタールを素材としており、色はブラックのみです。内部がZ字になっているのが特徴的で、従来のタスペーサーよりも耐溶剤性やバネ性能などの機能面を
グレードアップしたものになります。
他の種類は下塗り後に設置するのに対して、タスペーサー01のみ屋根の洗浄後の段階で設置が可能です。
従来品よりもバネがあるため、より手軽に通気性を確保することができる上に、最大で80キロまでの重量不可に耐えられる作りになっています。
販売価格は500個入で14190円ですが、通販サイトなどではより安い価格で購入できます。
タスペーサー02
「タスペーサー02」は、ポリアセタールが素材となっており、色はブラックとブラウンの2色から選べます。
多くの屋根に使用できるタスペーサーのオーソドックスな商品で、内部に細い滑り止めが付いており、手で簡単に挿入できます。
なお、販売価格は10439円です。
タスペーサー03
販売が中止になっている「タスペーサー03」は、色はブラックのみで、内部がS字になっている商品です。屋根の劣化が激しい場合の使用に適した造りになっています。
インターネット通販サイトなど一部では購入ができるケースもありますが、現在は廃版品となっているため、基本的には入手が難しいと思っていたほうがよいでしょう。
以前は500個入で12500円ほどで販売されていました。「タスペーサー03が使用したいけれど手に入らない」という場合には、汎用性の高いタスペーサー02か、あるいはそれよりも高性能なタスペーサー0を代わりに使用するのがおすすめです。
- タスペーサー01:より高性能なタスペーサーをお求めの方におすすめ
- タスペーサー02:多くの屋根に使える汎用性の高いタスペーサー
- タスペーサー03:現在は販売していない
タスペーサーを使用するメリット
屋根の塗り直しにおいて、タスペーサーは「絶対に使わなければならない」というアイテムではありません。
ですが、タスペーサーがあればさまざまな点でメリットが得られます。では、具体的にタスペーサーのどのような点が優れているのでしょうか?
以下では、タスペーサーを使用する主なメリットについてご紹介していきます。
塗装の時間短縮になる
縁切りにおいては、下塗り・上塗りをしっかりと乾燥させた後にひとつひとつ手作業をおこなう必要があります。
すべての工程を職人が手作業でおこなうこと、乾燥までに時間がかかり天候によって左右されることから、少なくとも1日以上は時間がかかっていたのです。
タスペーサーは下塗り段階で設置するため、上塗り後の手作業を省くことができ、塗装工事の作業時間の短縮につながります。
人件費が安くなる
縁切り作業比べるとタスペーサーではぐっと作業時間を抑えられるため、人件費の軽減にもつながり、工事費用そのものが安くなります。
屋根塗装が短期間で終わるだけでなく工事費用もよりお得になるために、タスペーサーは依頼主にとって大きなメリットがあると言えるでしょう。
屋根を傷つけないですむ
職人が手作業でおこなうがゆえに、縁切りでは屋根を傷つける恐れがあります。
硬くなった塗料を除去するのは力仕事であり長時間の作業となるため、塗装後に足跡をつけてしまったり屋根材を割ったりしてしまうケースもあるのです。
そのせいで雨水が内部に入り込み、腐食や雨漏りなどのトラブルを招いてしまうことも…。
タスペーサーを使用して屋根塗装をすれば屋根を傷つける心配がなく、安心して作業をすすめることができます。
- メリット1:屋根塗装がスピーディーに完了する
- メリット2:時間の短縮によって人件費も安くなる
- メリット3:縁切りよりも屋根を破損するリスクが少ない