住宅に発生してしまう凍害について解説していきます!
今回は住宅の壁に発生してしまう凍害について解説していきます!!
1.そもそも凍害ってなに??
凍害とは、水分を含んだ外壁で水分が凍ることで起こるトラブルで、外壁がひび割れたり膨張したりして耐久性が落ちることを指します。外壁が水分を含んでしまう主な原因は、雨や雪によるものです。
雨や雪の水分が外壁に入り込むことで、外壁内部の水分が凍って膨らみます。外壁のコンクリートなどを押しのけてひび割れを起こし表面が劣化してしまうことがありますが、外壁内で膨らんだ水分が原因です。
2.凍害の種類って何がある?
凍害にはいくつかの種類があります。ここでは、凍害の種類によった見た目の違いや、凍害が起こる原因についてみていきます。
●ポップアウト
ポップアウトとは、コンクリートの表面にある薄い粒子に水分が混ざり膨張することで起こる凍害です。円錐のような形でコンクリートの表面が剥がれていきます。外壁の表面上で起こる凍害がポップアウトです。
●ひび割れ(微細凍害)
ひび割れ(微細凍害)は、外壁にひび割れが起こることです。外壁内部で水分が凍ったり溶けたりすることで、コンクリートが変形しひび割れが起こります。
●スケーリング
スケーリングは何度も繰り返す凍結や融解が原因で、外壁が剥がれてしまう凍害です。ポップアウトやひび割れがさらに進行した凍害と言えます。
3.凍害が起こりやすい条件
凍害はどんな時に起こりやすい?
凍害が起こるときは、いくつか条件があります。凍害はどのようなときに起きやすくなるのでしょうか。ここでは、凍害が起こりやすい状況や条件についてお伝えしていきます。
①地域性
外壁内の水分が凍ることによって起こる凍害は、気温が低い地域で起こりやすい現象と言えます。特に起こりやすいのが北陸や東北、北海道にかけた地域です。
九州や沖縄といった平均気温が高い地域では、凍害のリスクは少ないでしょう。ただし、気温が極度に下がるといったことがあると凍害が起こることもあるので、「絶対に凍害が起こらない」とは断言はできません。
②気候条件
外壁と雪
外壁の内部が水分が凍るほどの気温は0度を下回るときです。冬の気温が0度を下回る地域や環境では、凍害が起こりやすいと言えます。
特に昼夜の気温差が大きい地域や環境にある外壁は、凍害の発生率が高くなります。
③外壁(建造物)の種類
外壁の種類によっても凍害の起こりやすさに違いが出てきます。素材が薄いサイディングは、特に凍害が起こりやすい外壁材です。
また、サイディングはボード同士をつなぐときに、シーリング剤というゴムが主原料の建材を使用します。このシーリング剤が劣化すると、細くなって隙間から水分が入りやすくなり水分による劣化や凍害も起こりやすくなるのです。
シーリング剤自体も気温差によって伸縮し、劣化していきます。
4.凍害を放置してしまうとどうなる??
凍害による外壁の劣化を放置すると、どうなるのでしょうか。ここでは、凍害を放置したときに起こりうることをご紹介していきます。
●外壁の見た目が悪くなる
凍害の初期は小さなひび割れや、局所的な表面の剥がれ程度ですが、凍害が進行していくと外壁自体が剥がれ落ちてしまいます。
外壁の剥がれがひどくなると、耐久性だけでなく見た目も悪くなってしまうので建物の美観を大きく損ねてしまうでしょう。
●補修工事が大掛かりになる
凍害により外壁が劣化すると、外壁から内部に水分が入ってくるようになります。
劣化が少ないうちに対処しておけば良いのですが、放置してしまうとより大きな劣化につながります。
外壁から建物内部へ水分が入り込み、雨漏りなども起こるようになってくると大規模な修繕が必要になることも。柱や基礎にまでダメージが広がっていくと、建て替えといった事態にまで陥ってしまう可能性もあります!
たかが凍害と放置しておくと、最終的に外壁だけの処置では済まないこともあるため注意が必要です。
●凍害による有害性
凍害により外壁が損傷すると、建物自体の耐久性や快適性が損なわれます。
外壁に水分が溜まりやすく、内部にも入り込みやすくなることから、建物自体に湿気が溜まり不快指数が高い建物になることも。
また、雨漏りや湿気で木材が腐ってカビが発生し、人体に悪影響を与えることも考えられます。カビは咳や鼻水、頭痛なども起こす可能性があるので注意が必要です。
湿った木材はシロアリの大好物なので、シロアリの発生にもつながってしまう可能性も否定できません。
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